「お応えします・5」

    考えることを教えるのは難しい

    私、頭の裏側を使った

   オレは、頭を反回しにした

 

考える力をつける学習は簡単なことではない。何十年もそれを目指しながらも、難しさを痛感している。どういう材料〈テキスト・教材・新聞などの素材〉を使えば子どもたちはどんな頭の働かせ方をするのか。その時やっていることがどういう能力と結びつくのかを考えてゆく。

 

その「考える」ことを、子どもの一人は「頭の裏側を使った」と言っている。頭の裏側を使うには、反比例の「反」にはどういう生活の場面があるかというような「問いかけ」を自分にしてみると、何か出てくることがあるとも言っている。

 

子どもの頭の働かせ方を掲げてみます。

  「反比例」

頭の裏側を使った。

学校でまだやってないところをやるという勉強がすき。

今日も、説明も例題も読まないで、「目次」から反比例を考えて見た。

比例は知っている。正比例のことだ。

たてが3cmの長方形の横の長さと、その面積っていうのが正比例。でも、「23倍じゃなくてその反対って何?」って思った時、先生が「身の回りにも反比例しているものありますよ」って言った。私は「あっ、おやつの時のことだ」って思った。うちは3人姉妹。だから3等分する。そんな時いつも、「一人っ子ならよかったのに」って思うからだ。姉妹が多ければ多いほど少なくなる。

イチゴのチョコレートボンボンが24こあったら、一人なら24こ、二人なら12こ、三人なら8こ。そうか、二分の一、三分の一って減っていく。これなら知っていた。これが反比例か。この反比例の「反」を考える時、頭の裏側を使った気がする。

                                                    小5:まゆ

 

 

     「ロシアとウクライナのことを「なぜ、学校で話し合わないのか」を考えて見た」

たぶんそれは「学校は正しいことを言わなければならない」と考えているからなのではないかと思う。だから、今、ニュースで報道されていることは違っているかもしれないということを心配していて、学校では話さない方がいいのではないかと、先生方は考えているのかもしれない。それでも僕は、学校の先生たちの考えや心配を、そのまま話してもらって、それから、みんなで考えてみればいいのだと思う。人と話すと、自分の意見を持てるようになるし、自分と違うところも、ちゃんと聞いたり、いっしょに考えたりすることができると思うからだ。一番大事なことは、正しいことだけじゃなくて、考え途中のことでも、自分の考えを言って、間違いがあれば、それを直してゆく学習こそが、勉強なのだと思う。

 

今、「はやし」には、アメリカのメリーランド州からSkypeでつながっている、高校3年生の奈緒さんがいる。その奈緒さんから聞いた話だと、アメリカの高校では、英語と歴史が一緒になった科目があって、その授業は、毎時間、生徒みんなが同じ本を一冊読んできて、ディスカッションをするのだそうだ。ロシアとウクライナのことについても、もっと知りたい人に向けて、先生が、昼休みに自由参加の形で「みんなで考えよう」という場を作ってくれているそうだ。奈緒さんは「何が正しくて、何が間違っているのかの答えを出すことは、とても難しいし、メディアをうのみにすることは危険だと思う。だからこそ、みんなで考える時間が必要とされる」と話していた。ぼくも、奈緒さんの学校のような「みんなで考えよう」という場に出てみたいと思う。             小5:だい

 

 

      「『道』にして考えるマイナスの世界」

5-12=-7

引き算だったら、「12は引けない」ってなったけど。でも、頭の中では知ってるって思った。物として考えるのではなく、「数の線」みたいに考えればいいんじゃないのかって思った。そうだ。「道」として考えれば解るかも。0m地点に停まっていた車が、西に5メートル進みました。今度は東へ12m進みましたって考えると、今いるのは東7メートルっでことになる。

 

引くでは解からないことも、「道」にして考えれば難しくないって思った。そしたら先生が「大発見だったね」って言ってくれた。「デカルトみたいね」とも言ってくれた。自分でもびっくりした。  

                                                     小5:ねね

 

 

       ぼくは「逆九九」がすごいよ 

「逆九九」っていうのはね「頭を反回し」に使うことなんだ。

6×9=54

6×8=48

6×7=42

6×6=36

っていうように、九九を逆から言うんだ。

逆九九をやると、「ろくいちがろく」から言う普通の九九を言うときに速くなる感じがする。

逆から言うと、頭を反対回しに使う。いつもなら、脳ミソを上から使うけど、逆九九のときは、脳ミソを下から使う。だから、脳ミソが下から上に行って、また上から下にもどって、また下から上に行って、上から下にもどって、回って答えをさがすから、つかれるけど、けっきょく頭がスッキリする。                                              小2:だいと